ポーランド人は犬が大好き。町では小型犬から大型犬まで、ありとあらゆる犬種がお散歩しています。多くのワンちゃんはきちんと躾られていて、ノーリードのお散歩中も常に飼い主の横をお行儀よく歩いています。
Tym razem o psach rasy japonskiej w Polsce (teksty tylko po japońsku).
よく見る犬種はジャーマンシェパード(Owczarek Niemiecki)、ラブラドールレトリバー(Labrador Retriever)、ヨークシャーテリア(York)、そしてダックスフント(Jamnik)でしょうか。ジャーマンシェパードとラブラドールは子供と相性がよいからか、よく家族連れやカップルが連れて歩いています。ヨークシャーテリアとダックスフントは小さくて力もそんなに強くなく、小さなアパートでも飼いやすいことから、若い女性だけでなくお年寄りにも好まれているようです。
ポーランドにはペットショップというものはなく、ほとんどの場合はブリーダーから直接購入したり、里親を募集している犬をもらってきます。保護施設から犬をひき取ることも珍しくないですし、拾った犬をそのまま飼う人もいます。
日本との大きな違いはバス・トラムなどの公共交通機関に犬も乗れること。どこにでも愛犬を連れて行けるのでこれは大変便利。この場合犬の交通費はかかりません。かならずリード(Smycz)とマズルカバー(Kaganiec)をつけることが規則になっていますが、大型犬以外はリードしかつけていないことがほとんどです。ですから、お出かけする機会の多いポーランドのワンちゃんたちは子犬のうちからみっちり躾をされます。日本と同じように「待て」や「お座り」、「伏せ」のコマンドを覚えさせられますが、“Czołgaj się (チョウガイ・シェン – 歩伏前進)”や“Turlaj się (トゥルライ・シェン – 回転しろ)”、“Zdechł pies (ズデフウ・ピエス – 死んだふり)”など日本人にとっては「?」なコマンドもあります。
そんな中、現在ポーランドの愛犬家達の間でじわじわと人気を集めているのが日本犬です。
現在ポーランドでは約600頭の柴犬、330頭の秋田犬、130頭の土佐犬、そして北海道犬や紀州犬が飼われており、それぞれブリーダーもいます。
これらの日本犬たちは、民主化後少し時間が経って落ち着いてきた1990年代後半にポーランドに入って来ました。ようやく市民の生活も安定し始め、珍しいペットや装飾品に目を向ける余裕が出てきたことも日本犬が増えた理由と考えられます。また2009年に公開された、リチャード・ギア主演のハリウッド版忠犬ハチ公物語「HACHI 約束の犬」を見て、日本犬の存在を初めて知って興味を持ったという人も少なくないようです。
毎年ウッジ市で開催されるスピッツ種&古代犬種クラブ主催ドッグショーには、国内のみならず国外からも総勢約300頭が集まります。その中には秋田犬や柴犬も多く見られ、いかに日本犬がポーランドで受け入れられているかを目の当たりにすることが出来ました。
猟犬としての本能が残っているこれらの犬たちは、彼らを厳しく躾けコントロールできる飼い主を必要としますが、一度飼忠誠を誓った飼い主にはずっと従順です。そこがポーランド人の考える「サムライ」のイメージとピッタリ来るのでしょうか、日本犬が好きな人はえてして日本文化に興味がある人が多いようで、ワンちゃんたちの名前がアキラくんだったりユキコちゃんだったりと日本語なのはもちろんのこと、自分のお部屋も日本風に飾ってしまう人もいてビックリ!親日国のポーランドではありますが、日本ブームはここまできているのだと思わせてくれました。